自然農法は敷居が高そうだし、難しいのでは?、と思っている方は案外多いのではないでしょうか?
以前の私もそうでした。せいぜいできることと言えば、観葉植物の世話をすることぐらいでしたから、自然農法なんて、よほど知識があって、自然と一体となって生きてきた人にしか不可能だと思っていました。
ですが、それは単なる思い込みだったのです。
私が自然農法で家庭菜園をやろうと思ったきっかけは、別の記事で書いていますが、とにかくやらなければ、と二の足を踏んでいる場合ではなかったことが、幸いしました。
そして何よりも、菌ちゃん農法と出会えたことが幸運だったと思っています。
結果は大成功だったのですから。
生えてくる雑草からもわかる土の変化
まず着手したのが、雑草の駆除です。新しく引っ越してきた家の庭には、直径1~2cmの木のような根っこを地中に張り巡らしている、「ヨシ」という頑固な雑草が一面に生えていました。
除草剤を使うわけにもいかないので、シャベルで庭全体を掘り起こしました。振り返ってみると、これが一番大変な作業だったと思います。それでも、ヨシはなかなかにしぶとい雑草らしく、家庭菜園を枯らすほどの繁殖力があるそうですが、この1年間、まったく見かけていません。菌ちゃん農法が、生えてくる雑草の種類をも変えてしまいました。
糸状菌は生命を司る
土づくりを始める時期は、一年を通して二回あります。春野菜と冬野菜を植える植え付けの時期よりも少なくとも二か月前までには、畝を立ち上げておかなければなりません。なぜなら、この二か月の間に、土の中に白い糸のような糸状菌のネットワークが発生してもらわなければならないからです。
菌ちゃん農法の”胆”は、糸状菌です。この糸状菌が、野菜に潤沢に栄養を供給してくれるのです。
無農薬だけれども、虫のつかない強くて栄養価の高い野菜にしてくれます。
余談ですが、菌ちゃん農法の生みの親である吉田俊道さんによると、畝が出来上がった後の最後の仕上げに行うのが、糸状菌に対して「頑張ってね」と想いを伝えることなのだそうです。私もやりました。私の庭は、ヨシが張り巡らすほど状態のよくない、カチカチで深く掘ると粘土質の土だったにもかかわらず、糸状菌はちゃんと答えてくれました。想いはエネルギーで、やはり同調するものなのですね。
準備の時期と必要な材料
私は夏野菜から始めたので、2月末までに畝を立ち上げました。そこから逆算して、2月の頭には畝の中に入れる材料を山から拾ってきて、ひと月ほど庭で野ざらしにしていました。糸状菌の繁殖を促すためです。
材料は色々ありますが、私が集めたのは、枯れ葉、ススキなどの枯草、枯れた小枝、枯れた竹、直径10cmほどの枯れた木などです。
集める材料に大中小があるのは、糸状菌がすぐにつくもの、ゆっくりとつくもの、菌がつくのに時間はかかっても、長く糸状菌を供給してくれるものが必要だからです。枯れた草木には糸状菌が発生して、やがて草木を分解します。すぐに分解してしまっては、糸状菌も消滅してしまうので、まるで暖炉の炎に薪をくべるように、すぐに火が付く小さなものや長時間燃え続けるための太めの薪が必要な訳です。
特殊な畝の形状
枯れた葉をよく見ると、すでに糸状菌がたっぷりとついているものもあります。これが畝の中でネットワークを作るように広がっていくよう配置していきます。
まず畝の底に太い木を入れ、長期にわたって糸状菌を供給してもらいます。畝のトップには葉っぱ、草、小枝を乗せて、すぐに糸状菌に活躍してもらいます。野菜のすぐそばですから。
なんとこのやり方で、糸状菌は5年ほど保てるそうです。
一連の準備は最初だけです。5年の間は、時々薪をくべるだけ。つまり、枯れた小枝などを畝に差し込むだけだそうです。5年後には、土はふかふかの素晴らしい土に変わっているので、最初の時のような作業は要らないはずです。
もうひとつ菌ちゃん農法の特徴は、畝の高さです。なんと70~100cmにもなります。普通の畝は20cmかそこらなので、かなり特徴的だと言えます。なぜそうするかというと、糸状菌は水に弱いからだそうです。
畑として使ってきたような土地なら、水はけはよいでしょうが、いきなり庭を畑にするのですから、そうはいきません。うちの庭も深く掘ってみたら、かなり粘土質でした。高さがあれば、降雨の後、水浸しになって菌ちゃんがやられることはないからということのようです。
思えば、この1年で、うちの庭の水はけは、かなり良くなりました。やはり土が良質になってきているのでしょう。
まとめ
その他、もっと詳しく知りたい方には、菌ちゃん農法のオンライン講座をおすすめします。かなりのボリュームと内容が、たった5000円という、中身に比例しないただ同然な金額で提供されています。そこには、地球の環境を良くしたい、みんなに健康になって欲しい、という吉田さんの思いが込められているからだと思います。