プランターで花も育てたことのない私が、必要に迫られて、無謀にも自然農法を始めて大成功させた経緯についてお話しします。
ダーチャ
ロシアのダーチャを知っていますか?「農園付きの別荘」という意味で、都市部に住んでいる人々が、週末になると郊外のダーチャに通い、野菜や果物を育てたり、保存食を作ったりして、二拠点生活を送っているそうなのです。週末にはダーチャ渋滞が起きるほど、ダーチャは多くの人々のライフスタイルであり、ロシアの文化として根付いているということです。
そもそもダーチャは、第二次世界大戦後、政府がモスクワに核爆弾が投下された場合、100キロ以上離れたところなら安全だろうということで、道路などを整備し始めたことが普及の始まりだったそうです。長く続いた不安定な国情から、国民の間にも、自分の身は自分で守るという精神が培われ、今では高い自給率を誇るようになりました。あっぱれです。
綱渡り状態の日本
ロシアに比べて、日本はどうでしょう。なんと日本の自給率は4割を切っています。
戦後日本は、ロシアとは真逆の方向へと歩んできたのですね。で、どうなったかということです。
今までは、スーパーに行って買えば食べてこられました。でも、これからもこの生活が間違いなく続くという保証はどこにもありません。問題はここから先、どうするかなのです。現に、物価高騰、米不足、食糧供給困難事態対策法の施行など、きな臭い事象が現れてきています。
二年前にyoutubeで、ある農家さんが警告を発していました。
「昨今の異常気象で、収穫率が激減している。自分達も食べないといけないし、人間関係ができている人たちを優先することになるから、店に出荷することが一番後回しになる。そして、肥料がすごく高くなっているし、今後もしも海外から入ってこなくなれば、もっと収穫量は減る。だから、みなさんも自分で野菜を作ることを考えた方がいい」と。
これは!!!と、私の中で警笛が鳴り響きました。
一時的でも、都会から人が消える日がくるとしたら…
人間関係ができていない人たちから生きていけなくなる…
その数か月後です。私が大都会から田舎へ移住したのは。
笑っちゃうほど素早い決断でした。
でも、大正解だったと今は思っています。
二年前はまだ起きていなかった物価高騰、米不足、食糧供給困難事態対策法が、今は現象化していますから。
菌ちゃん農法との出会い
田舎に移住して、すぐに取りかかったのが家庭菜園です。家庭菜園と言っても畝の長さが20メートルもある、初心者にしてはなかなかのもので、ご近所さんに配って回るほどの収穫量になりました。
あのyoutubeの農家さんがおっしゃっていたように、満足に肥料が手に入らなくなることを想定すると、肥料を一切使わない自然農法しか選択肢がありませんでした。もちろん、自然派志向の私のやる気を起こしてくれるにはぴったりだったと言えます。とは言え、以前の私はマンション暮らしが好きで、ベランダのプランターで一から花を育てた経験すらありませんでした。
最初は自然農法の本を買ってきて読んだりしていましたが、やはりよくわからず…
次にネットで探してみて出会ったのが、長崎で菌ちゃんファームを経営している吉田俊道さんでした。
菌ちゃん農法を一緒にやりませんかという吉田さんのPR動画に泣けてきました。彼の地球や生き物に対する優しさに感動して、自然に泣いていました。さらに、ど素人の私でもよくわかる動画の通信講座は、なんとたったの5000円です。まったく儲ける気がありません!
それからの奮闘記はまた別の記事で書いていきますが、季節を一年巡って菌ちゃん農法を実践してみて、結果は大成功だったということです!
最初は簡単ではありませんでしたが、土は、自然は、糸状菌は、ちゃんと答えてくれました。
協生農法
菌ちゃん農法で一番最初の夏野菜を成功させて、冬野菜の種を植えるときに、菌ちゃん農法とは別に、協生農法という(こちらも自然農法です)ものに手を伸ばし、隣に畝を新たに作って、実験的に行ってみることにしました。
菌ちゃん農法に比べて、最初はびっくりするほど簡単です。なんの土づくりもないし、畝の高さもわずか20センチほどでマルチも必要なし。等間隔に樹木や花を植え、その間にランダムに野菜の種を蒔く。後は鳥まかせ、雑草まかせ。
協生農法の結果は…
協生農法も同様に化学肥料、農薬、水やりなしですが、できたのは、とても小さいミニミニサイズの野菜でした。菌ちゃん農法よりも、もっと長い時間を要するようです。
まとめ
ずぶの素人が、「菌ちゃん農法」と「協生農法」を隣り合わせの畝でやってみました。
どちらも自然農法ですが、一作目から虫にも食べられないほどの立派な栄養満点の野菜が採れたのは菌ちゃん農法でした。
因みに、虫は栄養価の低い、弱った野菜しか食べないそうです。
化学肥料なし、農薬なし。水やりすらしていません。なんて楽なんでしょう!
菌ちゃん農法は、プランターでもできます。それに、手袋をしていても、土に触れるとスカッとします。
たとえ食糧危機などの何かが起きようが、起きまいが、私たちは”土”に生かしてもらっているのだ、ということを今一度思い返す時がきているのではないでしょうか。